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8/12-14   
往路の行程はかなり長丁場です。まず深夜便でロサンゼルスから広州へ。思っていたより機内が静かだったのと普段の睡眠時間に合っていたこともあり、大部分を寝て過ごせました。入国審査は問題なく通過しましたが、国内線への乗り換え口で係員の案内があるまで手荷物検査を通過できず、次のゲートに到着するまで二時間かかった。空調は効いているものの、湿度が高くロサンゼルスとの空気の違いを感じます。

ともかく朝食をとって次の便に乗り込む。これは長春行き。広州は香港に近い中国南部で、そこから中国北部へ逆戻り。この機内では真後ろの子供が座席を頻繁に蹴ってくるので落ち着いて本も読めず苦労しました。

ここからさらに乗り換えて目的地の延吉市へ。休みなしで2回乗り継ぎ、かなりの長丁場でしたがよく眠ったおかげで体力を少し残した状態で到着。妻の親戚たちが迎えに来てくれて、家まで送ってもらう。簡単な言葉で皆さんにご挨拶。ここは韓国からの移民が多く、街の店には中国語と韓国語が併記されています。家の人達は韓国語で話します。中国語なら時々内容をつかめますが、韓国語はさっぱり。意思疎通にはとても苦労します。妻の通訳を介して話すときと妻の弟が少し英語を話してくれる以外はおとなしくしています。お互いに難しい面がありますが、温かく迎えてくれたことに感謝します。

街の様子は事前にネットで様子を見ていたので少し想像が出来ていましたが、ここで生きていくのは大変そうというのが素直な感想です。行き交う車の運転は荒く、隙間がほとんどないのに右左折、車線変更、歩行者など危険がいっぱい。建物は古いものが多く、日本の一世代か二世代前の風景を見ているような感じです。一方人々はスマートフォンを持つのが標準的で、家には大型フラットテレビがあり、現代的生活も垣間見えます。





家の人達にご挨拶。一人アメリカでお会いした親戚がいましたが、それ以外は直接お会いするのが初めての人たちばかりです。しかも韓国語の会話なので、何を言っているのか意味不明。何世代か前に中国に移り住んできた家系で、中国語は話すけれど必要なときに限られます。こちらは挨拶くらいしか知っている単語がないので、それ以外は通訳してもらうか静かに座っているだけ。

しばらくして夕食の時間。韓国の家庭料理が沢山出てきます。ロサンゼルスの韓国料理屋で慣れている味が多いのと、日本でもみかける品もあったりしたので、特に食生活に困ることはなし。むしろ食べきれないのにたくさん食べさせられる。お菓子を沢山持ってきましたが、結局最終日まで食べることはありませんでした。

食事で困るのは、酒を沢山勧められること。度数の高い酒を注がれ、年上の人に合わせて飲んでいき、進みが遅いと愛想が悪いと受け取られる。酒にはめっぽう弱いので、この習慣に毎日悩まされることになります。さらに喫煙者が多いので、煙草の煙がひどいのも難点。


8/15   
疲れていたので早めに眠る。3時頃起きましたが、朝食後にまた眠り、一日活動できるぶんの体力を回復。

昼食は冷麺レストランへ。美味しいことで有名なところらしく、弾力のある麺が美味しかった。ただ人が多く、座席を確保したり注文するのは大変。静かな日本人はこんなところでは食事できなさそう。

中国に行きホテル以外に宿泊する外国人は警察署で外国人滞在登録をしなければならないので、家の人に頼んで連れて行ってもらう。しかし祝日であることを知らず、担当官が休みで明日また来いと言われる。行きはタクシーでしたが帰りは歩き。周囲に注意をはらいつつ、市場など街の様子を見る。あまりきれいに管理されていないですが、見たところ危険な雰囲気は無い。ただ道路横断は毎回細心の注意が必要。横断歩道を渡る時でも車は構わず走り抜ける。現地人は狭い隙間を縫って渡りますが、そんなことはできないので車の間隔が開くか大勢の人がわたっている時を見計らって駆け抜ける。片側三車線の人い道路でもお構いなし。タクシーに乗ったときは、ぶつかると思って目を閉じて身構えるくらいのことが何度となくあった。しかしこんな世界でも、滞在期間中一度も事故を見かけませんでした。

夕食を頂いて早めに眠る。


8/16   
朝一番に警察署に再度出向き、手続きをしてもらう。長いこと待たされ、機械入力と手書きと療法されるので処理にも時間がかかる。紙一枚もらうのに1時間もかかった。

明後日にこちらの親戚の前で結婚式を挙げることになっており、結婚写真を撮影しに写真屋に行ってきました。まず化粧をされ、髪型を整えられ、スーツに着替える。女性はさらに念入りに準備があり、待ち時間が長い。お互いに普段と全く違う格好になり写真撮影開始。

カメラマンは英語を話さないので、ジェスチャーから何となく推測してポーズを取る。身体の位置や角度の調整を言われた時が大変で、通訳してもらわないとどうしたらいいのかわからない。奥さんの衣装替えが5回、撮影された写真100枚以上、一日がかりでした。結果を見てみると、ところどころで顔が笑っていなかったり、疲れがにじみ出ていたりしています。これでもかなり短くしてもらったほうで、長い人は3日にわたって撮影するそうです。撮影には奥さんの弟とその彼女が同行してくれて、水を買ってきてくれたり、デジカメで撮影してもらったりしていました。彼らも疲れたことと思います。





帰宅して夕食。親戚の人が次々遠方からやってきたり電話をかけてきたりして、紹介してもらい短いけれど会話を交わす。何人か日本語を第2外国語で選択した人がおり、簡単な会話を直接交わせました。また、以前にアメリカで会ったことのあるMinが来て、英語での話し相手が出来ました。

暇な時は仕事をする気にならないし、ネット環境が限られていることもあり、中国語の携帯ゲームを教えてもらって遊んでいました。いい暇つぶしです。


8/17   
午前中ゆっくりし、昼食に焼き肉を食べに行く。その後昨日の写真の出来を見に行く。アルバムを作るために、100枚以上の中から必要な物を選びます。

また別の親戚がやってきました。日本に留学している人がおり、かなり上手に日本語を話します。少し優しい単語を選んで話すようにしましたが、その範囲内ではほとんど会話に困ることはありませんでした。ありがたいことです。日本での生活の様子や、日中の違いについて話しました。


8/18   
結婚式の日。以前に親戚が行った結婚式の様子をビデオで見せてもらっており、大体の様子は把握していました。我々のものはさらに簡素にしてくれると聞きましたが、それでも勝手の分からない韓国式なのでどう振る舞うべきなのかわからずかなり緊張していました。言われたとおりに動き、お辞儀をし、踊り、少し日本語を話す司会者からの質問に答える。写真撮影、各テーブルを回ってご挨拶。次第に参加者が帰っていき、出口に立ち挨拶をする。ここまでは何とかなった。

式の様子



この先が予想外の厳しさ。疲れて食欲ないのに親戚テーブルに座らされ、威勢のいいおじさんたちに強い酒を飲まされる。愛想悪いと思われつつ拒否したのに、このままでは帰さないと言われ、少しずつ飲んでいく。さらにテーブルを回ってコップに注いでいく。どうにか一杯終わらせ、頭痛を抱えながら帰宅。あのテーブルには二度と座りたくない。

しばらくしてカラオケへ。これは事前に準備をしておいたので、問題なく過ごす。日中で曲が同じものを日本語で歌いました。ご両親には馴染みの曲がなかったようなのが残念ですが、歌詞が中国語で出てくるので、参加者にとって全くわけがわからないという状態は回避されたと思います。


8/19   
親戚の人達が帰って行き、お見送りをする。大したことは言えませんが、お目にかかれてよかった、さようならくらいは直接言えました。特に親しくしてくれた人たちには、英語通訳をしてもらって感謝を伝える。そのうち二人は電車とバスに乗るために駅に行くので着いて行きました。周囲の風景に似合わず駅舎はとても綺麗です。窓口では列の割り込みが頻繁に見られ、係員はそれを整理しようともしない。電車は北京や上海行きなどかなり長距離便も出ているようです。

明日出発するので、親戚の人達が集まって夕食に出かけました。これが昨日の再現のような形で、飲めと頻繁に言われる。ただ昨日で様子がわかってもらえたか、注ぐ量は少なめで、押すのは一杯目だけにしてくれました。煙草の煙は相変わらずひどく、今回は個室だったため煙がこもって気分が悪い。数人たちから少し離れて座ったにもかかわらず。後から喉が痛くなってきました。

言語の違いのためほとんど静かにしていましたが、最後にお会いするので短く感謝の挨拶をしました。酒と煙草は大変ですが、初対面の外国人を暖かく迎えてくださったことに感謝します。言葉の違いがあってあまり意思疎通できず、物足りない印象を持たれたかもしれません。日本語でさえこういう場があまり得意でないですから、最低限のことしか出来なかったと思います。一応事前の想定では無事に帰ってくることと義務を果たすことを目標にしていたので、そこは達成出来ました。いつも家の人達と一緒に行動していたので、車と酒以外では危険を感じることはありませんでしたし、奥さんのためにやるべき行事は全てこなしました。


8/20   
朝5時に起きて出発準備。日本に向かい出発します。空港まで見送りに来てくれました。途中で松茸の入った大きな箱を渡され、無理だというのに鞄に詰め込まれる。そして手荷物検査場の前で一人ひとりにご挨拶。温かく迎えてくれたことに感謝しました。また来てねと言って頂けたのがうれしかった。酒と煙草がなければ問題ないんですけどね。

搭乗ゲートまで来て休憩。まだ喉の痛みがあり、少し寒気と腹痛もあります。毎日疲れきっていたので調子が悪くなってきたのかもしれません。これから長丁場のフライトなので先が思いやられます。

まずは北京に到着。出発地で通しで航空券を発見してくれなかったので、ここで再度荷物を預けます。しかし通常のカウンターではできないと言われ、指定されたカウンターに行く。ここは出発二時間前にならないと開かないと言われ、それまで椅子が少ししかなく騒々しい出発カウンターで荷物を抱えたまま待つ。ようやく荷物を預けて身軽になり、搭乗口付近に座って時間を過ごす。

次は上海。飛行機では疲れが出たため寝て過ごす。45分延着したため走って国際乗り換え口へ。40分ほどかかって次の搭乗口へ。次はようやく関空行きです。値段が安く乗り継ぎ時間に余裕のあるこの経路をとりましたが、体調が良くない時は厳しいものがあります。

40分遅れて関空に到着。一日がかりの移動でだいぶ疲れています。入国手続きはスムーズで、荷物を持って急いで神戸行き空港バスに飛び乗る。夜中過ぎにようやく実家に帰り着く。無事中国滞在が終わってホッとしました。

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